「母と暮せば」感想

映画「母と暮せば」 

めでたく公開されましたので内容に触れるところも含めて、これまでの感想を記しておきます





試写を含めてこれまでに3回鑑賞しました。

悲しくて苦しいお話でもあるのに、鑑賞後は優しさと温かさで満たされる不思議な魅力のある映画です。

時間帯の都合で上映前は軽い食事のみ、なんとなく小腹が空いた状態で鑑賞するので鑑賞後はお腹が空いているはずなのに、

その空腹感すら忘れてしまうくらい胸がいっぱいになります。

以前も書きましたが、『誰かと寄り添って生きていくって素敵だな』と強く感じる作品です。

自立して、自分の力で道を切り開いていく強さも必要だけど、誰かに寄りかかって、寄りかかられて生きていくのが人間だよな、って。

生きていく、ってそういうこと、だから家族がいるんだよなぁ、と思わされます。

そのせいか、私は「伸子と浩二」の関係よりも「伸子と町子」の関係がより胸に響きました。

最も印象的なシーンは、年末、町子が黒ちゃんと挨拶に来た後、「よいお年を」と一度は帰るのですがすぐに戻ってきて伸子に抱きつくところ。

結婚するはずだった浩二の母、義理の母娘として戦争直後を寄り添って生きてきた伸子に、新たな婚約者・黒ちゃんを紹介する町子の苦しさ、葛藤。

もちろん伸子にも素直に祝福したい気持ちと一方で受け容れ難い本音との葛藤があるわけで。

複雑な想いがありながらも、お互いを想い合って抱きしめあう姿は胸が張り裂けそうになります。

先入観ですが、戦中戦後の日本は、衝動的に体で感情を表現しないイメージがありました。

だから、抱きつく、抱擁することで感情を表現していたこのシーンはとても新鮮に感じました。




もうひとつ、印象に残った町子のセリフ。

『浩二さんの部屋で そんなこと言わないで』

2人で浩二の部屋で紅茶を飲んだ後、伸子が浩二のことを諦めるように諭したシーン。

『浩二さんの部屋で』がとっても胸に突き刺さりました。

大切な人との思い出だらけの部屋で諦めろだなんて、町子にとったら残酷なこと。

これは女性ならではの心理かなとも思うのですが、この部分は山田監督の脚本なのか、平松恵美子さんの脚本なのか、興味深いところです。




吉永小百合さん、二宮和也さんの演技については私が申し上げるまでもなく素晴らしかったです。

2人だけのシーンが多いのに、まったく飽きることがなくてあっという間の約2時間でした。

上海のおじさんがプロポーズもどきをして帰った後のユーモアあふれるやり取り。

伸子が「見てたの?」と言った後「見てたよ!」と返すあの「間」がもう絶妙で。

不貞腐れたように、ポンポン言葉を返す浩二くん。

浩二として伸子に文句を言ってるのか、二宮和也として吉永小百合さんに言ってるのかわからなくなるくらい、本当に自然なやり取りでした。

お二人の関係が 「伸子と浩二」なのか「小百合と和也」なのか、もしかしたら両方なのか、もうわからないくらい。




伸子、浩二、町子。キャスト全員に言えることなのですが

とにかく声が素敵、美しい!

3人とも、澄んでいて滑舌もよく聴きやすい。

美しい分だけまた悲しくて、声を聴いているだけでも泣けます。



あと、生活の様子や日常の風景に清潔感というか、品を感じました。

戦後、物資が乏しく誰もが貧しくて苦しい時代、決して華美なものを身に付けているわけではないのに、なんでだろう?

登場人物の所作、身だしなみのせいでしょうか。

町子が浩二の部屋へ上がるために下駄を脱いだ後、足の裏を雑巾でササッと拭いてから家に上がるシーンがあります。

下駄の時代には当たり前のことだったのかもしれませんが、何も考えずに靴を脱いで家に上がってしまう現代人には新鮮な光景でした。

あの当時の人は、物はなくとも慎ましく礼儀正しく生活していたのかな。

物で溢れている現代の方が散らかっていて無作法な世の中かも知れませんね。




書き出したら止まらない。。。

子どもの作文みたいになってしまいました・・・

まだ他にも書き留めておきたいこと、いっぱいあるのですが。

また観に行ったらまとめて簡潔に書くことにします。

今日はこの辺で











この記事へのコメント

りょん
2015年12月20日 22:19
わたしも、やっと見てきて、やっと感想も書けたので、つばささんの感想を読みにきました!
読んでて、そうそう、戻ってきたあのシーン!そうそう!あの、足の裏を拭く作法!と、
改めて思いだすシーン盛りだくさん
町子ちゃんすばらしかったわぁ
わたしは、一回しか見に行けないけど、印象に強く残る作品でした

ニノちゃん本当にすばらしい作品にださせていただけましたねっ、感激!
つばさ
2015年12月20日 23:14
りょんさん☆

私もりょんさんの感想読んで思い出すシーンだらけでした。
足の裏を拭いてから家に上がるとこ!サラッと流れたけど現代人には印象に残るシーンよね。

和也さんにピッタリのキャラクターで、もう山田監督!フェアリーを起用してくださってありがとう!の気持ちでいっぱいです。